ヤップ島はグアムの南西724kmにあり、海岸線をマングローブで覆われた緑豊かな大陸島である。
州都のコロニアはこのヤップ島にあり、ヤップ州の行政や商業活動、観光産業のほとんどはこの島に集中している。

離島またはアウターアイランドと呼ばれるヤップ島以外の島々はそのほとんどがサンゴ礁でできた平坦な島で、ヤップ島とはルーツ・文化・言葉を異にする人々が住んでいる。

ヤップ州には大きく分けて4つの言語があり、日常生活や地域の自治活動はそれぞれの島の言語で行われ、州政府の行政や出身島の違う人々のコミュニケーションには英語が使われている。

<社会と生活>
言葉や習慣の違う人々をたくさん抱えているヤップ州では、お互いの立場や風習を尊重する気風が強く、伝統が守られている。

●石貨
ヤップ島で使用されている通貨は米ドルだが、ライまたはフェと呼ばれる石貨が伝統的な貸借関係やわびなどの気持ちを表す道具として現在も使われている。その価値は大きさや重さとは関係なく、その石が運ばれてきた背景とそれを語る人の表現能力によっても評価が変わる。

サイズも直径数センチから2.5m以上の大きなものまで、さまざまだ。
その多くはパラオで算出された鍾乳石を切出してカヌーで運ばれてきたもので、中には制作後1000年以上もたつ古いものもあるといわれる。